そもそも外国語を流暢に話すとはどういうことなのか?
今回は、「そもそも外国語を流暢に話すとはどういうことなのか?」
この問題を内部言語表現のモデルから考えていきます。
マインドマップの創始者トニーブザンによると、
私たちの内部言語表現(internal expression≒self-image≒mind)は以下の三要素から
成り立っています。
(一)、言語(language)。
(二)、言語にくっついているイメージ(image)。
(三)、言語間の協働的連結(association)。つまり「思考回路」。
上記三要素から「流暢に会話をする」ということを具体的に
いうならば、
自分の言語を(一)、
場面(イメージ)を乗せて(二)、
自分の思考回路に沿って組み立てる。(三)
ということになります。
更に、(一)~(三)の流れを具体的に言いますと、
①正確な発音で、
②文法(会話パターン)という文の型に沿って、
③そこに適切な単語(言語)を当てはめる作業が、
④(反復練習の結果)無意識にできる、
「流暢に会話をする」とは、以上、大きく四つの要素に分けることができます。
流暢にしゃべれないということは、
上記①~④のいずれかの要素が、
学習法から抜け落ちているということを意味します。
そして、上記のように空に飛び上がって森を見渡すと、様々なことが見えてきます。
たとえば、
語学を学ぶ初期の段階で、「読み」を中心とした学習を
する理由は、①発音と②文法(会話パターン)を身に着けることに目的があることが
わかりますし、また、文法(会話パターン)のあてはめ練習(造句)は③で復習は④。
復習をより最適化する考え方としては、エビングハウス忘却曲線
のことはすでにお話しましたね。
また、たとえば、
シュリーマンのいう「自分が興味のあることについての作文練習」は、
①~④そのもの。だから、自分が興味のあることについて、
作文を反復練習することで会話が流暢になるのは、時間の問題と
なる理にかなった学習方法であることもわかります。
さらに、たとえば、
上記①~④の鷹の目の視点から
他人の*文章の暗唱練習*を考えてみましょう。
<大前提>
(一)自分の言語を
(二)場面(イメージ)を乗せて、
(三)自分の思考回路に沿って組み立てる。
①正確な発音で、
②文法(会話パターン)という文の型に沿って、
③そこに適切な単語(言語)を当てはめる作業が、
④(反復練習の結果)無意識にできる。
他人の文章の暗記は、上記の①~④の要素が入っており、
一見、「会話を流暢に話す」ための練習に使いがちですが、
(三)の言語間のつながり(association)、つまり、
*自分の思考回路*という要素が決定的に抜け落ちているために、
暗唱をいくらしようが、会話を流暢にしゃべれるようにはならないことがわかります。
実際、しゃべれるようにはなりません。
「判断力を磨くとはどういうことなのか?」
語学だけでなく、以上のような鷹の目の観点を持つと、現在の自分に足りない部分(練習)、
欠けている要素、今の自分のレベルを鷹の眼で俯瞰できるように
なり、巷にあふれる「この学習方法がいい」、「あの学習方法がいい」
といった無数の学習方法に惑わされずに、今の自分に最も必要
かつ適した学習方法を判断、選択できるようになることもわかります。
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阿部拝