7ヶ国語を操る男

先日の億万長者の言葉の使い方(1)「意志の凝集力」の話は

もう読んでくれましたか?

ある億万長者の青年と話した時のことです。彼はこんな秘密を語りました。


今回は、前回の話をより深く掘り下げた話を紹介します。


23歳で10億円相当の資産を築いたある天才マーケッター。

数ヶ月前、彼と*言葉*について対話したときのエッセンス、

それをあなたとシェアしたいと思います。


ちなみに、彼は7ヶ国語を話します。


天才マーケッター、Xと呼んでおきましょう。

彼は、いきなりこんな話を始めました。



「地球上で人間の間でいちばん大きな差って何だと思いますか?」



何でしょうか?


話の続きは以下を見てください。

23歳で10億円相当の資産を築き、現在7ヶ国語を操る ある天才マーケッターが考える、「地球上で人間の間でいち ばん大きな差」とは一体何なのか?

詳しくはこちら

「なんだろう、この氷山の写真は。」



X:地球上で人間の間でいちばん大きな差って何だと思いますか?


阿部:なんでしょう?考えたことないですね。


X:実は、Aさんより、Bさんの方が足が速いとか、身長が10センチ

高いとか、宇宙船に乗って、地球上を眺めると、その差はゼロに等しいんですね。


阿部:(宇宙船に乗るか・・・たけえ視点だな・・・そういった思考方法もあるのか。)


X:一番の本質的な違いは精神性、特にセルフイメージ(self-image)なんです。


阿部:「セルフイメージ」というのは、自分が自分に対して抱くリアリティですよね。

確かにそういわれると、たとえば、秦の始皇帝が作った万里の長城は、

彼のセルフイメージの表現だということもできますね。常に暗殺されるのを恐れていたとか。

あの防壁は現在、宇宙からでもみえる建造物ですね。


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「うん、結構微妙だが、確かに見える。」



X:ええ、そのリアリティ、自分のリアリティというのは言語によって鋳造されています。


阿部:なるほど。(アメリカで広告のコピーライティングで7000億円を売り上げた

テッドニコラスが、セミナーで明かしていた秘密と一致する。


「私の人生の最大の発見は、自分のつぶやきが自分の世界を作り出している

ということだった。だから、そのつぶやきを変えることで、自分の世界を

劇的に代えることもできるというわけだ。」



X:たとえば、赤信号を見ると、私たちは、「止まる」わけですが、

「赤信号は止まらないといけない」という言語の記述が私たちの内部にあるから、

それが私たちのリアリティになっているわけです。


阿部:私たちは赤信号で止まるとき、今は、それをわざわざ意識してはいませんよね。

言語は、時間の経過とともに意識の表面から内部にある無意識に沈んでいき、

反復によって強化、習慣化、自動化されて、自分のリアリティになっているということ

ですね。


X:ですね。私たちの様々な行動の背景には、膨大な言語的記述が広がっています。

その膨大な言語的記述という「色眼鏡」で外の世界を見ています。

原始人が赤信号で止まるわけがありません。

ところで、リアリティーは常に流動する可能性を秘めています。


阿部:なるほど。いってみれば、無常、常なることは無い、ということですね。

(仏陀の考えと似ている)


X:そういうことです。ですから、「自分の世界を変える」ということは、

言語でどう自分のリアリティを記述していくのか、どう表現していくのか、

という問題だと言い換えることができます。

「自分の外部世界は自分の内部世界の現れ」というマインドセットです。

外部世界をコントロールするということは、内部世界をコントロールするということです。


阿部:具体的に、X は言葉使いやつぶやきで、どういった点に気をつけているんでしょうか。


X:私は名詞は極力使わず、動詞を多く使うようにしています。

名詞はリアリティーを固定して、動詞はリアリティーを動的に表現できます。


阿部:なるほど、リアリティは流動的、常に動いているわけだから、動詞を使った方が、

よりリアリティに近い、リアリティに即しているということですね。


X:ええ。名詞はリアリティを固定します。

たとえば、「私は『バカ』です。」と名詞表現をすると、

その表現には「バカ」以外の可能性は存在しません。


ですが、「1学期はずっと学校に通わず遊んでばかりいて、答案を白紙で出したから、

今回五科目すべて0点という結果をとることになりました。」


こう動詞を使って表現すると、そこには流動性が生まれ、

セルフイメージを変える可能性が秘められています。


阿部:なるほど。名詞は牢獄に似たイメージですね。

「非行少年」、「おちこぼれ」などのラベリング。

考えてみると、「常識」や「偏見」といったラベリングは、

名詞を多用することで作られていますね。


X:そういうことです。

名詞を多用していると、自分の常識内からしか発想ができません。

アイデアが湧いてこないんですね。


「自分の世界を変える、成長する、進化する、アイデアが溢れるというのは、

自分の常識を壊すということで、自分の常識を壊すというのは、

自分の内的言語世界を動的な表現を使って書き換える」ということなんです。


10数年前、このリアリティの秘密を知らなかったために、 どんな悲劇が阿部に起こっていたのか?

10数年前か、19歳くらいの頃にふと気づいたことなんだが、

小論文が特に好きだった私は、抽象的な言葉、特に名詞表現が

自分の中に増えていることに気が付いた。


あまりに抽象的な言葉を多用するようになったせいか、

夜、ふとまぶたを閉じると、幻覚がみえるようになった。


どんな幻覚かというと、言葉から言葉が生まれる、

まるでねずみが子供を産むように、抽象的な言葉が連鎖的に広がっている幻覚が見えた。


それらの言葉たちの意味の違いはほとんどなく、単なる線といってもよかった。

内容の伴っていない言葉を多用することで、その言葉に意識がくっつくと、

意識も空虚になることに気がついた。


「概念にはそれに対応する対象が伴っていなければならない」


そのときになって、カントが実践理性批判の中で言っている言葉の本当の意味がわかった。


自分の言葉使いには細心の注意を払って、

自分の中の言葉を再構築するのを習慣にしはじめた。


もちろん、自分の中のつぶやきも。


「イメージを豊富に伴った言葉を使っていけば、

意識のキャンバスをいろんな風に彩っていけるんじゃないか」とこう考えたわけだ。


インドを一人で放浪したり、

奥多摩で道なき道を進んで熊に出会うのを恐れながら山籠もりしたり、

真冬に横浜から自転車にのって北海道に帰ったり、とにかく、旅をして、

様々な色彩を自分の言葉に取り戻すことに努めた。


白黒だった意識のキャンバスを様々な色の絵の具で彩った後、

一番大きく変わっていたことは、「孤独」という感情がほぼ消失したことだった。


常に言葉にイメージが伴うように細心の注意を払って使っていたので、

意識が多彩なイメージにくっつき、

暗闇の中に「ポツーン」といった状態が消失したからなんだろうと思う。


副次的な効果として、「自分の言葉使いに細心の注意を払う習慣」

これが、教育に生きるようになった。


「阿部先生じゃなきゃだめ。」私の英語講義は圧倒的にわかりやすいという生徒たち、

親たちによる評価が返ってくることになる。


テッドニコラスはいう。


「私の人生の最大の発見は、自分のつぶやきが自分の世界を作り出している

ということだった。だから、そのつぶやきを変えることで、

自分の世界を劇的に変えることもできるというわけだ。」


私の10代の最大の発見は「概念にはそれに対応する対象が伴っていなければならない」

テッドニコラスのいう

「自分のつぶやきが自分の世界を作り出しているということだった。」

これに関連する。


私の20代の最大の発見は座禅をしていたときに気づいた「イメージの持つ凝集力」、

つまり「引き寄せ」。


テッドニコラスのいう


「だから、そのつぶやきを変えることで、

自分の世界を劇的に変えることもできるというわけだ。」

これに関連する。


X はその世界、リアリティを変える方法をより具体的に表現している。


「名詞を使うよりも動詞を多く使った方がよりリアリティに近い。」


「動」的に自分の言語世界を記述しておくと、

「意志の凝集力」を使った際に、新たな世界が自動的に起「動」しやすくなる。

夢の世界の話を覚えているでしょうか。


名詞を多く使うと、夢の世界の硬度がカッチカチに高まっていることになります。

人は安定を求める傾向にあることを考えると、人は名詞を無意識のうちに多く

使いやすい傾向にあるんじゃないでしょうか。


この抽象度の高い問題に気づき、日常生活で実践に移すことは、

長期的にみると圧倒的なアドバンテージを私たちにもたらすことになるでしょう。


「日本の未来を創造していくのは、私たち一人一人の内的言語世界だ。」


2011年3月22日 阿部より



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