中国語本質講座第十回(最終回):語学を身につける際のテキスト丸暗記、いわゆる暗唱学習への反論


『何故、私は権威ある教授の「暗唱」そして、「一日一課は多すぎ」
という意見を無視したのか?その客観的根拠は何か?』

どうも、阿部です。


さて、今回は、

■「なぜ私は権威あるといわれる教授たちの「暗唱」そして「1日1課

は多すぎ」という意見を無視したのか。その客観的根拠とは何か。」


以上について、あなたに話していきたいと思います。


「テキストは暗唱できるように覚えてくるように。」


「一日一課なんて多すぎる。」



ですが、私は彼らの要求を無視し続け、

ゼロからスタートして4ヶ月で新聞閲読が読めるレベルになり、



また、



半年ほどで日常会話とリスニングには困ることはないレベル

に達していました。




では、私が暗唱学習に反論した根拠、

それと、学習方法「過剰学習」について述べてきます。



暗唱に対する反論根拠


暗唱は大きく三部分です。


1、単語の暗記

2、お決まり文句の暗記(基礎句型を含む)

3、一文一文のつながり


暗唱に反論する根拠の一つは以下です。



「一文一文のつながりはテキスト編集者の思考回路の流れ。」



「会話は実際には、個人個人の思考回路の流れに沿って行われる。



だから、



「一文一文の<つながり>まで暗記する必要はない。」



これが教授の暗唱に反論する根拠一。

テキスト丸暗記は、この<つながり>の暗記も含まれますね。



この考えのトピックを立て議論をたてたんですが、

こんなレスがありましたね。


「外国語の習得というのは、とりもなおさず外国人の思考回路をまねる

ということ」




「したがってテキスト丸暗記によって、外国人の思考回路を学ぶべきで

ある。」(どんな論理だ?)




これ、一応、「マジメ」に反論するんなら、こんな感じですかね。



「確かに、外国語の習得というのは、外国人の思考回路をまねる点にも

あり、そうした思考回路がテキストの一文一文のつながりに反映されて

いる場合もあるが、テキスト編集者はあくまで、

その国の一個人であり、その国の人の思考回路を代表しているもの

ではない、といえます。」





つまり、


テキスト、一文一文のつながりに再現性のある法則性は、

かなり少ない。というか、ない。



ですんで、暗唱する必要もない。




もちろん、例外もあります。


超価値のある本は、もう自然と暗唱できるくらいに読み込むべきです。


ちょっと話それるんですが、井上靖の息子さんの話で興味深い

話があるんですよ。


あるときまで、井上さんの息子さんはずっと落着きがなくて、

学校の成績もかなり悪いぶるいに入っていたそうなんですね。


それで、井上さん、夏休みに老子を暗記させたんです、息子に。


全文。


その夏休み以降、井上さんの息子さんは、ガラリと変わった

らしいんですね。


落ち着きは出てくるし、学校の成績も急上昇、

これ、なぜでしょうか?


わかりません。



ひとつ、思い当たるのは、ある一つのことに集中または習熟すると

「直観」という未知の知性が頭をもたげてくるということです。


これね、非常に奇妙なんですよ。


たとえばね、私、カントの哲学書実践理性批判がものすごく好きなん

です。


あれ、集中して読んでいるとき、奇妙な感覚が生じたことが

あるんです。


ものすごく集中して読んでいると、なんていうんですか、

一つ一つの文字に広がりが出てくるんですよ。


カントが何をいいたいのか、先に書いてあることが直接

頭の中に入ってくるんですね。


たとえるなら、波紋です。


集中してないとき、本の一部に注意を集中しても、

その注意力が生み出す波紋は非常に小さい。


集中していると、その注意力は「重たくなって」文字ひとつ

ひとつが波紋を起こす、それで文字ひとつひとつが起こす

波紋同士のつながりがはっきりしてくる、

言葉同士の間の連関が見えてくる、そんな感じです。


これが行間を読むってことなんじゃないですか?


ですんで、名著といわれるものや、古来から伝わっている

経典とかは、その分野に興味のある人にとって、暗唱するまで

読みこむ価値が全然あると思うんですね、私は。



行間が波紋でつながるほどに。



おそらく、語学の暗唱勉強もここらへんから来ているんですよ。

但し、誰が暗唱素材を編集しているのか、というのが大問題なんです。


教授レベルの人だとしても、歴史の中に入れば、大河の一滴です。

老子、孔子、その他の歴史に名を残す偉人には及ばんと思うんです。


全然ね。


私は暗唱を否定しているわけでは、全然ないんです。

ただ、その暗唱すべき材料に問題があると思っているんです。


はたして、初級レベルの日常的なレベルの他人の言葉が詰まった

材料は暗唱するに値するのか、というのが根本的な問題だと

思うわけです。



日常会話レベルを扱ったテキストに「意味」のある行間はない。



私は「暗唱」やりましたが、何を「暗唱」したのかというと、

自分で作文した会話文です。



しかも、中国人教師に修正してもらった自分の言葉からなる

作文です。



自分の言葉なら、たくさん使う機会があるから、

暗唱するほどに習熟するのに値すると考えたんですね。


さらに、自分の言葉のまとまりですから、

一文一文のつながりは、自分の思考回路のつながり

そのものですから、「暗唱」しようとしないでも、

暗唱できてしまうわけです。


一文一文のつながりを思い出そうとしなくてもね。


他人の言葉が詰まった日常レベルを扱った素材は、

暗唱するほどの「意味」はないと思うんです。



日常レベルの言葉にいくら注意力を打ち込んでも、

その言葉が打ち返してくる波紋って、その大きさは

知れていると思いますから。



と、かなり話がそれましたが、話戻しましょう。




あなたは、テキストすべて暗唱しようとしている人たちを

みたことがありますか。



一文一文の間の<つながり>を思い出すために、

口をとめてしまっていますね。



口語を鍛えるには、口を動かすのがいちばん大事です。

筋トレです。



北京外語大学の口語講座の教授マラソンだっていってましたよ。

あれ、口、マジだるくなります。



テキスト編集者の思考回路みたいな自分にあまり関係ないことを

思い出すのに使う学習時間があるんだったら、


その時間を使って


口を動かして、単語暗記(1)、お決まり文句暗記(2)に時間を

使って体にしみこませる方法をとった方が、

口語を鍛える学習方法としてよっぽど効率的だと考えたわけです、

私は。



で、「10回の基準」という方法を使って

テキストを学習していくことに決めたというわけです。



大綱教材には付属の音源がついているんですが、

一つの単語の朗読とその次の単語の朗読の間に2秒くらい間隔が

あったんで、その2秒で2回繰り返して朗読しました。



すると、1周目でひとつの単語について、

3回朗読したことになりますね。

そんで、これを10周やるわけです、単語朗読部分だけを。





とすると、1つの単語については、


3回×10周=30回



しかも、しゃべりながら、四声を手で振り付けながら

大声で読んでいきましたから、体にも覚えこませたことになりますね。


1つの単語について、30回も大声で読んで、

しかも体使ってやったら、

そりゃ、覚えれるのは当たり前なんですよ。



ホームページで紹介している高木さん、

これやってるんですよ。

→中国語コーチング



だから、完璧にピンインを覚えれているんですよ。

たった10周の朗読で。




で、単語朗読10周にどれくらい時間がかかるか。

10分程度です。



そんで、単語はだいたい30個くらいありますから、

何回読んだことになるのかというと、


30単語×30回=900回



10分くらいで、30単語、900回連射朗読すれば、

30単語くらいの意味とピンインは、完璧に覚えるわけです。


もちろん、鼻息を荒くしながらやらんきゃ、いかんですよ。

しかも、体、変な風に動かしてるし。

人には見せたくない姿なのは、言うまでもないです。



じゃあ、なぜ、やるのか?



絶対復習なんてやりたくないからなんですよ。

というか、やらないんですよ、つまんないから(といっても寝る前とか

移動時間に耳から高速復習するセコいマネするわけですが。そんな

狡猾さも大事です)。


私はそういうずぼらな人間だって、しってますから。

そのずぼらな自分という現状を認めると、

もう、その場で覚えるしかない、ってことになるわけです。



怠け者なんです、基本的に、自分は。


単語朗読10分の後は、テキスト朗読10回。


テキスト朗読の10回の基準は具体的には以下のようにやりました。




1、はじめの3回は0.5秒くらいあとにネイティヴの録音を

追いかけてよむシャドウイングを開始。


2、次の3回は1秒くらいあとにシャドウイング。


3、次の3回は1.2~1.5秒くらい。


4、ラストの1回は追いかける時間を気にせず、シャドウイング。



以上が課文について、私が使った10回の基準です。



かかる時間は30分~40分程度です。



ね?1時間程度なんですよ。

集中してやれば。



え?1時間もとれない?


5分×12回=60分。

細切れ時間を使って学習すればいいんですよ。



そんで大声でやってますから、忘れないんですよ。

以上、1日1課、100課繰り返して、

ゼロから4か月後に余裕で新聞読めてた、とこういうわけです。





余談ですが、大声で朗読する、これ、マジ強力です。

声がでかければでかいほど、脳に音が叩きつけられて、

ホント、読んで字の如く、刻み込まれます。


6年前のテキストで学んだ単語、ずっと出会ってなかった

マイナーな単語なのに、この前見たら、

今でも覚えているんです。


ホント、驚きですよ。



大声朗読、これ、はずかしいんですが、

めちゃ効果あります。


例えるなら、あれです、クギです。


強い力で打ち付けたクギは、長い年月ずっと

打ちつけられたままです。


弱い力で打ち付けたクギは、ちょっとすると

すぐとれてしまう。


ちょっと考えてみてください。



使う時間は同じなんですよ。

打つ力が違うだけなんです。


ゆるい力でうったクギは、そのあと何度も何度も

打ち直さないといけないです。はずれるたびに。


どれだけ時間がかかりますか?


でも、一回強力に打ったクギは、そのあと何度も何度も

うちなおす必要はなくて、ちょっとのメンテナンスで

済む、そんな感じです。



日本人、はずかしがりやなんですが、

そのはずかしさを超えると、語学はもっともっと

身につけやすくなる、ホントに。


基本的な学習方法の話は以上です。


料理に例えますと、無料の前菜程度にすぎませんが、

もしあなたが「おいしい!」と感じたのであれば、

メインディッシュの中国語コーチングの方では、前菜以上の「おいしい!!」

を感じていただけると思います。


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何かご質問やご不明な点等などがありましたら、

お問い合わせのフォームから送信してください。


ではでは。

阿部拝
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